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中銀カプセルタワー【2021年11月24日 進捗】

2021年9月より、中銀カプセルタワー裏の増築部分
(中銀本社ビルと中銀城山ビルの2棟)の解体が本格的に始まりました。

狭い路地から重機が持ち上げられたり、足場が組まれたり、
ついに始まるのか…という印象です。
アネックスとはいえ看板が取り外される映像はなかなか衝撃的で、
いつかこんな日が来てしまうのは分かっていたはずなのに
なんとも切ない想いがあります。

アネックス解体の終了は3月ごろになりそうです。
メインの中銀カプセルタワーも来年夏には解体が始まる予定です。

新プロジェクト

(美術館や博物館への寄贈、泊まれるカプセル計画)

現在、買受企業と黒川紀章建築都市設計事務所と打ち合わせを重ね、
再生するカプセル数を想定し調整を進めています。

現時点で139のカプセルをプロジェクトが引取ることになっていますが
まだそれぞれが今後どれほど使える状態かはわかっていません。

また、カプセルはアスベスト処理をしてからの取り外しになるため、
全て取り外すには少し時間がかかりそうです。
建物のコア部分(中心のエレベーターと階段部分)とをボルトで止めているカプセルの壁は
破損することになるため、カプセルがまるまるオリジナルで残ることはありません。
状態が悪いカプセルの場合は完全に作り替えることになります。

先日英ガーディアン紙に掲載されてからというもの
世界中の美術館、博物館から引き取りのオファーがさらに増え
現在は30件程度の依頼が届いています。
中には誰もが知る有名美術館も。

日本よりも海外からの問い合わせが多いところが
カプセルタワーやメタボリズムの現状をよく表しているように思います。
アジア圏からの問い合わせ数は少なく、
ドイツの美術館、博物館からの依頼が他国に比べ少し多め。
そんな反応も面白いです。

現時点ではどのカプセルがどの美術館に行くのかは決まっていません。
自分達にもそれぞれのカプセルへの思い入れや
優先順位があるので決めるのはなかなか大変な作業になりそうですが、
早ければ来年秋には海外にコンテナ船で出荷できるカプセルがあるかもしれません。

今年の夏に行ったクラウドファンディングでは
目標額の770%、583人の方にご支援いただきました。
おかげさまで美術館や博物館へのカプセル寄贈や泊まれるカプセル、
書籍の出版も順調に打ち合わせが進んでいます。

寄贈するカプセルに取り付けるボード見本(写真)。
30,000円コースに応募いただいた方のお名前をクレジットさせていただきます。

共用部の実測

7月、黒川紀章建築都市設計事務所、買受企業、パートナー企業
保存再生プロジェクトメンバーなど総勢20名近くで
中銀カプセルタワービルの現地調査をおこないました。
黒川事務所監修のもと、竣工当時の設計図面と照らし合わせながら、
共用部全てと、1階店舗、2階事務所の専有部を調査しました。

買受企業が所有するカプセルを全員でまわり建物の外観の確認、
カプセル取り外しについての情報交換、アスベスト専門業者も複数社同行し
処理方法の打ち合わせも終えています。

また、ツアーでもよく受ける質問ですが
取り外された巨大な塔看板(塔屋文字)やタワー内の備品の
譲渡に関しては管理組合で調整中です。

次の書籍の進捗

書籍『中銀カプセルタワーの記録(仮)』の制作も順調に進行。
芝浦工業大学岡崎瑠美研究室+志手一哉研究室に協力いただき
複数カプセルの三次元データを収集しました。
撮影はレーザースキャナーと3Dカメラ、一眼レフカメラを併用。
レーザースキャナーはライカ製で、共用部にも十分対応できるスペックです。

11月、中銀カプセルタワーのドキュメンタリー 、NHK BS8K「東京レトロビルディング〜中銀カプセルタワービル」が放送されました。
まだまだ8Kテレビが視聴できる家庭は少ないものの、
後世に文化財の記録を引き継ぐ意欲を感じます。
撮影にはカプセルタワー関係者総出で協力させていただきました。

最近の海外メディア取り上げ事例

ベルリンのファッションブランドARYS
2021秋冬コレクションを中銀カプセルタワービルで撮影。

https://vimeo.com/630823317

中銀カプセルタワー関連ツアー

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